BARDの始め方

 このページは、文京区アマチュア無線局災害非常通信連絡会(BARD)への入会を検討されている方へのコンテンツです。
 私たちは、災害初期に生じる恐れのある公衆電話網等の途絶期間に備えて、区内や隣接地域との情報伝達を補完する民間無線通信組織となることを目指しています。この目標を確実に遂行できるよう、日々アマチュア無線やフリーライセンス無線を用いた活動を通じて能力を維持しています。

 私たちBARDの活動に参加するには、さまざまな方法があります。

防災訓練、避難訓練、避難所運営訓練

 文京区では、町内会単位で行う避難所運営訓練や、総合防災訓練を実施しています。区や町内会等の招請に応じて、公開運用や交信演習、機材展示などの広報活動を行います。
 例えば、アマチュア無線機やアマチュア無線用アンテナの展示、無線通信の展示運用、フリーライセンス無線の操作演習、災害臨時FM放送局への無線技術士派遣など、無線通信に関わる多様なニーズに応じます。会員には無線技術者はもちろん、防災士や医療従事者など様々な専門知識を有する方が所属しています。都市部災害対応に関する実地経験を得たり、同好者との交流を図りたい方にお勧めの参加方法です。

アマチュア無線

 アマチュア無線を始めるには、各国政府が発行するアマチュア無線に関する免許が必要です。日本の管轄は、総務省総合通信局です。
 無線機の操作を行う資格として無線従事者免許証を取得します。CBTテスト方式の国家試験、2日間の養成講習会のいずれかです。第四級アマチュア無線技士の養成講習会を受講するのが確実です。音声通信はもちろん、データ伝送通信や画像伝送通信を行うことができます。モールス信号による通信は第三級アマチュア無線技士以上で許可されます。
 次に、免許申請を行います。無線局が免許されると免許状が発行されます。この免状に記載されたJで始まる6桁英数字のコールサイン(無線呼出符号)を使って交信します。
 当会には、日本や外国のアマチュア無線免許を保有する会員が多数所属しています。取得方法にお悩みの方を支援いたします。
 なお、2010年以降に交付されたアマチュア無線技士無線従事者免許証は、日本国政府の捺印と英語表記があります。日本国内の旅券法や戸籍法に関する手続きはもちろん、海外の身分証明として通用する可能性があるので、海外旅行の万が一に備える身分証明書としての活用をご紹介しておきます。

フリーライセンス無線

 文京区の各町内会では、デジタル簡易無線機の導入が進んでいます。これは、災害時の連絡確保を目的としているようです。デジタル簡易無線は、無線従事者免許証が不要な電波利用制度で、購入時の手続きのみでだれでも使用することができる制度です。
 デジタル簡易無線機は、携帯電話やスマホとはいろいろ違いがあります。携帯電話やスマホは相互に音声が伝わる双信式通話ですが、無線機は単信式通話です。ですから、交互に送話したり、相手が送話中は聴取するといった特有の操作に習熟しておく必要があります。私たちは、各所で開催される地域防災訓練に合わせて、デジタル簡易無線やフリーライセンス無線機の操作演習を行うことがあります。演習には、単信式通話に慣れた方が適任です。フリーライセンス無線をお使いの方には、操作演習講師として参加頂くことができます。
 また、BARDの活動内容によっては、大変見晴らしの良いシビックタワー展望台目白台運動公園など、区施設での無線局設置許可を得られることがあります。これら運用訓練に参加頂くことで、フリーライセンス無線を使った長距離交信に挑戦する機会があるかもしれません。

ロールコール

 防災訓練や震度3以上の地震発生時に、ロールコールと呼ぶグループ通信を行ないます。
 ロールコールのコントロールを行う局は、参加の呼びかけを行い、応答局のコールサインリストを作りながら、参加局との連絡文伝達を行うなどして、円滑な情報収集を行う役割が期待されます。
 この作業には、略式無線通信手順や、和文通話表及び欧文通話表を使うので、予め無線交信に習熟することが望まれます。また、ロールコール技能保持のためロールコール実施計画を作ったり、新人コントローラの補佐をする方も必要です。
 文京区内にお住まいで、144MHz/430MHzのFM/D-STARトランシーバーを直ちに使えるような方に適した参加方法です。コンテスト参加経験や、クラブ局運営経験をお持ちの方は特に適任です。

コンテスト

アマチュア無線界隈では、コンテストと呼ぶ技能競技会が頻繁に開催されています。コンテストは、なるべく短時間に多くの無線交信を成立することで得点を得られます。このため、コンテストでの無線交信は多くの混信や妨害(パイルアップ)を回避しつつ所要の情報交換を行う技能訓練に適切です。BARDでは、コンテストによる多パイル下での正確な情報収集を行うことで、交信相手の電文を正しく記録する技能を習得する訓練と位置付けています。BARDが参加するコンテストは、日本語による無線電話モードを使います。初心者オペレータには、経験者が支援します。

レピータ管理者

 私たちは文京区千石に、D-STARレピータと呼ぶアマチュア無線用の中継塔を持っています。D-STAR方式の電波を文京区一円に中継します。また、インターネットに接続しているので、日本国内や海外とも容易に通信できます。この無線通信サービスは、D-STAR無線機を使って利用することができます。また、スマホに対応アプリをインストールすることで、インターネット経由での交信ができます。
 D-STARレピータは、無線中継器、制御用コンピュータ(CentOS)、インターネット接続( OpenWRT, Nora Connector, Raspberry-pi + raspbian )などの技術で運用しています。レピータ稼働状況を監視し、直接保守や遠隔保守によって機能を維持しています。システムエンジニアやネットワークエンジニアとしての技能を有する方にお勧めの参加方法です。

青少年育成

 アマチュア無線は、数学や理科、地理や気象など多くの基礎科目の実体験を得ることができます。また、普段会うことのない他人と安全に対面せずに会話をすることできるので、他者との対話能力を育てる効果があると思います。
 私たちは、児童生徒が参加できる無線通信の体験機会を提供しています。例えば、区内ボーイスカウトの訓練を兼ねた公開運用や、アマチュア無線局の体験運用会を区内で開催しています。これらの体験運用は、アマチュア無線技士の立ち合いがあればどなたでも体験できます
 これらの体験を通じて免許取得に挑戦することで、児童生徒の自主性向上に貢献できることでしょう。

米国アマチュア無線資格

 総務省のアマチュア無線免許は、日本国政府と協定を締結した国で通用します。協定未締結国であっても、予め当地政府の許可を得ることで海外旅行先で無線通信を楽しむことが可能です。
 日本のアマチュア無線免許より活動範囲が広い米国アマチュア無線資格を取得する手もあります。BARDには、米国免許保持者が参加しています。海外運用や、非締結国での許認可経験者も参加しています。日本国外でのアマチュア無線利用をお考えの方に適切なご支援が可能です。

カテゴリー: 連絡 パーマリンク

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